雑節(ざっせつ)・選日(せんじつ) |
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雑節(ざっせつ) | |
いつの頃からか、暦注欄(こよみの注記欄)には特別な日が設けられるようになりました。これを「雑節」といい、二十四節気とともに季節の移り変わりの目安となるものでした。 雑節は庶民の暮らしに深いかかわりをもつもので、現代のこよみにも引き継がれています。 |
雑 節 | よ み | 解 釈 |
節分 | せつぶん | 立春、立夏、立秋、立冬の前日を節分とよんでいましたが、次第に立春の前日だけになりました。冬から春への季節の分かれ目の日で、鬼を追い払い、福を招くための豆まきが行われます。 |
彼岸 | ひがん | 春分、秋分の日を中日として、前後3日間を加えた7日間を彼岸といいます。 |
八十八夜 | はちじゅうはちや | 立春から88日目をいいます。農家では茶摘や苗代作りなどを目安とした日になっています。新暦の5月2日頃。 |
入梅 | にゅうばい | 二十四節気の芒種から最初の壬の日とされていましたが、現在では太陽が黄道80度に達した時をいいます。新暦の6月10日頃。 |
半夏生 | はんげしょう | 夏至からかぞえて11日目をいいます。新暦では7月2日頃。 |
土用 | どよう | 立春、立夏、立秋、立冬の18日前から19日間を土用といいましたが、現在では夏の土用だけが「うなぎ」でよく知られています。 |
社日 | しゃにち | 春分、秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日をいいます。1年に2回あって、この日は土の神さまを祀りました。春の社日は作物の豊作を祈り、秋の社日には収穫のお礼をしましたが、現在はほとんど行われていません。 |
二百十日 二百二十日 |
にひゃくとおか にひゃくはつか |
立春から210日目と220日目をいいます。稲の花が咲く頃でありますが、一方台風が到来する頃になるため農家にとっては心配な時期となります。 |
選日(せんじつ) |
雑節に含まれないものを選日といいます。十干十二支の組み合わせから吉凶の判断をしました。 |
選 日 | よ み | 解 釈 | |
十方暮 | じっぽうぐれ | 甲申(きのえさる)〜癸巳(みずのとみ)までの10日間をいいます。この10日間のうち8日が相剋(そうこく)の日で、相談事や交渉がまとまらないとされています。 | |
天一天上 | てんいちてんじょう | 方角に関する天一神が天上に行っている癸巳(みずのとみ)〜戊申(つちのえさる)までの16日間は、方角に関しての禁忌がなくなる期間とされています。 | |
八専 | はっせん | 壬子(みずのえね)〜癸亥(みずのとい)の12日間のうち丑、辰、午、戌の4日を除いた8日をいいます。そのため八専といわれています。この8日は比和(ひわ)となる日であるため吉はますます吉に、凶はますます凶に傾くようになります。 | |
間日 | まび | 上記八専で比和とならない4日(癸丑、丙辰、戊午、壬戌)をいいます。十方暮でも相剋にならない2日(丙戌、乙丑)がありますが、取り立てて間日とは書かないようです。 | |
三伏 | 初伏 | しょふく | 夏至の後の3番目の庚(かのえ)の日をいいます。ほかに中伏、末伏がありあわせて三伏(さんぷく)といいます。三伏はもっとも暑い時期とされています。 |
中伏 | ちゅうふく | 夏至の後の4番目の庚(かのえ)の日をいいます。 | |
末伏 | まっぷく | 立秋後の最初の庚(かのえ)の日をいいます。 | |
不成就日 | ふじょうじゅび | 何事も成就しない日とされています。婚礼、開店、お宮参りなどは凶。 | |
三隣亡 | さんりんぼう | 柱立て、棟上げなどは大凶日。この日に建築すると火災をおこし、近所隣りも滅ぼすといわれています。 | |
一粒 万倍日 |
いちりゅう まんばいび |
一粒のたねが万倍に増える日で、すべての事始に良い日とされています。ただし、物を借りたり、借金は凶。 | |
大土 | おおつち | 庚午から丙子までをいいます。土をいじることは凶。 | |
小土 | こづち | 戊寅から甲申までをいいます。土をいじることは凶。 |
参考: | 暦ことば辞典 三島暦と日本の地方暦 旧暦はくらしの羅針盤 |