納音(なっちん))


中国の音楽は5音階(5声)と6音調(6律)で成り立っています。そのため全部で30の音になります。この30の音も十干十二支に対応すると考えられました。十干十二支の2っが1組になって30の音として納められたため「納音(なっちん)」とよばれるようになりました。納音は運勢判断に使われていました。
日本では具注暦や貞享暦以後のかな暦には必ず記載されていましたが、次第に忘れられていきました。納音がもつ意味は易者の流派によって違いがあるようです。

納音 よみ 日の干支 意味
海中金 かいちゅうきん 甲子、乙丑 海中や水中に沈んでいる砂金
炉中火 ろちゅうか 丙寅、丁卯 炉の中にある火
大林木 たいりんぼく 戊辰、己巳 木がたくさんある場所の木
路傍土 ろぼうど 庚午、辛未 路傍の土
剣鋒金 じんぼうきん 壬申、癸酉 殺伐とした働きの剣や鉾
山頭火 さんとうか 甲戌、乙亥 火山から噴きあがる火
澗下水 かんかすい 丙子、丁丑 岩のすきまから流れ出た水が集まり滝になる
城頭土 じょうとうど 戊寅、己卯 陽気のさかんな広大な土地
白蝋金 はくろうきん 庚辰、辛巳 錫を精製したもの
揚柳木 ようりゅうぼく 壬戌、癸未 柳の木
井泉水 せいせんすい 甲申、乙酉 地中の水脈から湧き出る水
屋上土 おくじょうど 丙戌、丁亥 瓦屋根の下に被せてある土
霹靂火 へきれきか 戊子、己丑 雷のはげしい雷光
松柏木 しょうはくぼく 庚寅、辛卯 松の木と柏の木
長流水 ちょうりゅうすい 壬辰、癸巳 川を長い間流れていく
沙中金 さちゅうきん 甲午、乙未 砂の中に混じっている金
山下火 さんげか 丙申、丁酉 火山から出た火がふもとまで来て燃えている
平地木 へいちぼく 戊戌、己亥 平地に生えている木
壁上土 へきじょうど 庚子、辛丑 壁に塗られた土
金箔金 きんぱくきん 壬寅、癸卯 薄くのばした金
覆燈火 ふくとうか 甲辰、乙巳 灯籠の火
天河水 てんがすい 丙午、丁未 天から降ってくる雨や雪
大駅土 たいえきど 戊申、己酉 大きな駅にある土
釵訓金 さいせんきん 庚戌、辛亥 かんざし
桑拓木 そうしゃくもく 壬子、癸丑 桑の木
大渓水 だいけいすい 甲寅、乙卯 水量の多い谷川
沙中土 さちゅうど 丙辰、丁巳 砂の中に混じっている土
天上火 てんじょうか 戊午、己未 太陽
拓榴木 ざくろぼく 庚申、辛酉 ざくろの木
大海水 たいかいすい 壬戌、癸亥 海の水

参考: 旧暦で読み解く日本の習わし
暦ことば辞典



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