室町時代末期(1550年頃)に朝鮮半島から紛青紗器(ふんせいさき)とよばれる茶碗が日本に入ってきました。この茶碗は薄ねずみ色の粘土にヘラやスタンプで文様を描いて白土で化粧をし、透明釉(とうめいゆう)をかけて焼いたものです。こうして作られた茶碗の文様が三嶋暦の文様によく似ていたため、当時の茶道をたしなむ人たちから「三島手(みしまで)」、「暦手(こよみで)」と名づけられ愛用されていました。 |
|
上の写真を見てもわかるように三島茶碗は日常的に使われている茶碗となんらかわるところはありません。でも、こうしたなんのてらいもない自然の趣が茶人たちに好まれたのではないでしょうか。 | 上の写真で見られるような細かい文様が三嶋暦のかな文字の文様によく似ています。下の写真とくらべてみてください。 |
三島茶碗は全国各地の窯元や陶器店で手に入れることができます。静岡のお茶と三島の湧水でお茶をたて、三島茶碗で飲んでみるというのも趣があってよいのではないでしょうか。 三島茶碗を三島の名物として広めるため、市民有志によって「三島茶碗文化振興会」が平成11年(1999)に設立され、三島茶碗の素朴な味わいを復活させることを目標に活動しています。 |
|