二十八宿(にじゅうはっしゅく)


月が地球を一周するあいだに通過する28の星座のことをいいます。もとは月の位置から太陽の位置を推定するための天文学的なものでしたが、それがやがて年月日などの吉凶判断に用いられるようになりました。しかし、現在ではほとんど用いられていません。
二十八宿の基は、仏教における守護神としての四神獣であり、天の4方向のうち東を青龍、南を朱雀、西を白虎、北を玄武が守っているとされています。その4方向にはそれぞれ7っの星座(宿)が含まれるようにしました。奈良県の高松塚古墳やキトラ古墳の内部の天井には、この二十八宿の星座と四神獣が描かれています。
二十八宿の吉凶は下表のようになっていますが、暦本によってそれぞれ違いがあるようです。

東方青龍七宿(とうほうせいりゅうしちしゅく)
かく おとめ座 棟上げ、婚礼は吉 葬式は凶
こう おとめ座 結納、婚礼、裁縫は吉 造作、移転、旅は凶
てい てんびん座 婚礼、酒造り、店開きは吉 裁縫は凶
ぼう さそり座 棟上げ、移転、婚礼は大吉
しん さそり座 神仏を祀るは吉 造作は大凶 婚礼、移転は凶
さそり座 婚礼、造作、店開きは吉 裁縫は凶
いて座 池堀り、造作、財を収めるは吉 婚礼は大凶
北方玄武七宿(ほっぽうげんぶしちしゅく)
いて座 裁縫、蔵建て、池掘りは吉
ぎゅう やぎ座 万よし 特に正午は大吉
じょ みずがめ座 芸能、着はじめは吉 葬式は凶
きょ みずがめ座 入学、裁縫、着はじめは吉
みずがめ座 家造り、壁塗り、竈造り、酒造りは吉 裁縫は凶
しつ ペガサス座 婚礼、移転、仏事は吉
へき ペガサス座 婚礼、旅、造作は吉
西方白虎七宿(せいほうびゃっこしちしゅく)
けい アンドロメダ座 裁縫、家造り、仏事、婚礼など万時大吉
ろう おひつじ座 造作、婚礼は大吉
おひつじ座 造作、婚礼は吉
ぼう おうし座 婚礼は吉 裁縫は凶
ひつ おうし座 神事、祭礼、造作は吉 婚礼、裁縫は凶
オリオン座 入学のみ吉
しん オリオン座 婚礼、造作、遠出は吉
南方朱雀七宿(なんぽうすざくしちしゅく)
せい ふたご座 神事、造作、種まきは吉
かに座 万大吉
りゅう うみへび座 葬式は大凶
せい うみへび座 婚礼、葬式は凶
ちょう うみへび座 神事、仏事、婚礼、就職は大吉
よく コップ座 旅行、裁縫は吉 婚礼は凶
しん からす座 棟上げ、婚礼、入学、お宮参りは吉 裁縫は凶


二十八宿は暦の月ごとに七曜とも組みあわせて使っていました。



   日曜   虚(きょ)、昴(ぼう)、星(せい)、房(ぼう)
   月曜   危(き)、畢(ひつ)、張(ちょう)、心(しん)
   火曜   室(しつ)、觜(し)、翼(よく)、尾(び)
   水曜   壁(へき)、参(しん)、軫(しん)、箕(き)
   木曜   奎(けい)、井(せい)、角(かく)、斗(と)
   金曜   婁(ろう)、鬼(き)、亢(こう)、牛(ぎゅう)
   土曜   胃(い)、柳(りゅう)、(てい)、女(じょ)

参考: 暦ことば辞典
旧暦で読み解く日本の習わし



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